在宅への想い

はじめに

病院の勤務医として働いている時代に沢山の末期癌患者さんが苦しんでおられる様子を見て来ました。
何とかもっと楽にしてあげられないかという思いを抱える内にホスピス医療に携わりたいと考える様になりました。

当時、私達の奈良県にはホスピスがありませんでした。何とか奈良県でホスピス医療を行いたい、ホスピスを作りたいと考え六甲病院緩和ケア病棟で研修を受けました。研修中に頼まれて在宅の末期癌患者さんのお世話をしたのが在宅医療の始まりでした。介護保険の導入に伴い、在宅医療が押し進められてきています。しかし、在宅医療、在宅ホスピスに対するイメージは「不安」「大変そう」というようなものが多いのではないでしょうか。

ひばり往診クリニック
医師

森井 正智
Masatoshi Morii


はじめに

在宅専門の医師がいない事、365日24時間対応をしていない事が在宅医療への不安を大きくしているのではないかと思われます。

又、今、ほとんどの在宅療養、在宅ホスピスは、一般の診療所 + 訪問看護ステーション(院外) + 訪問介護ステーションという形で行われていますが、当院では、ひばりメディカルクルニックグループ内の在宅ホスピス専門医 + 在宅ホスピス専門看護師 + 在宅ホスピス専門ケアマネージャー、在宅ホスピス専門ヘルパーがおり、常に連携してみなさまの在宅ホスピスを支えております。

はじめに

私は在宅専任で365日24時間対応で取り組む事によって安心して自宅で療養していただける様になればと考え、日夜走り回っております。体力勝負に近い毎日ですが、哀しみも喜びもたくさんあって充実した日々を過ごさせていただいております。

夢は充実した在宅医療ネットワークづくりです。この国の人々が、安心して在宅という選択肢を選べる世の中を作っていけたらと考えています。

私の初めての患者さんは、緩和ケア新米医のつたないホスピス医療でしたが、理想的な時間を過ごされ、自宅で最期を迎えられました。「こんな時間が作れるのなら、施設ホスピスではなく、在宅ホスピスでも理想を追いかける事ができるのでは…」そう考えたのが私の在宅ホスピスの始まりでした。


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